疾風迅雷〜君は嵐のように現れた〜
でも待てよ?


確か柊学に入学できる女は極道の娘だけなはず…


「あのさ、鉄心さん…極道じゃないよね?」


期待も込めて聞いたあたしの質問は、ママの素晴らしき笑顔にはね返された。


「てっちゃんは神沢組の組長の息子だよ」


神沢組って…


あの都内で神沢組の右に出るものはいないっていうあの?


しかも組長の息子?


「じゃあ、あたし組長の孫になんの?」


「あら、それかっこいいじゃない!じゃあ、あたしは娘だわ!」


ママってなんて能天気なのだろう…


「明日朝引越しだから荷物まとめといてね」


明日の朝までって…


ママはいつだって急なのだ。

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