いちごキャンディー
まぁ、当然と言えば当然だな。30万も貸して兄貴を送り出したんだから…


「真桜、起きなさい!!真桜っ!」

「んー‥‥‥あ?」


まだ眠って時間がたってないからか、すんなり目覚めた兄貴

だけど、その目は虚ろで腕を伸ばしながらあくびをしている。


「疲れてるんでしょ?部屋で寝なさい?!」


母さんの言葉に兄貴は“あぁ‥”と答えて紫織さんに視線を落として微笑んだ

とても愛おしそうに…


「よいしょっ!!」


紫織さんに腕を伸ばして起こすのかと思ったら、所謂お姫様抱っこをして立ち上がった。


「じゃあ、おやすみ。」

そう言って兄貴は紫織さんを抱いてリビングを出ていった


『‥‥すげっ‥』


俺がそうこぼすと


「かっこいい!!」


と、空澄はこぼした。そんな空澄におばさんが尋ねた。


「母さんは帰るけど?!空澄はまだいる?」


普通は一緒に連れて帰るんだろうけど、俺たちの場合はこんな事が当たり前だ。


「うん、イチゴオレ飲む!!」


空澄の滞在理由は少しおかしな気がしたけど、別に誰もつっこまなかった。


「はいはい。」


最後におばさんは“じゃあお願いします”と母さんに言って帰っていった。
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