いちごキャンディー
その日の昼休み、俺は隆平に今朝のことを詳しく聞いていた。


『一年生がねぇ‥』


“接点とかあったの?”って聞いた俺に
隆平は“全然”と答えた


「可愛い子だったけど、俺好きな子いるし(笑)」

『そっか‥‥はぁっ!?!?』


好きな人?そんな話今まで聞いてねぇよ?


「あ、やっぱり引っかかった(笑)?さらっと言ってみたんだけど!!」


と、隆平は歯を見せて笑う


『誰?』

「誰でしょう??」

『さ‥‥かき?』


だったら、気まずくね!?どうしよう!!と思いながら発した名前だったけど、それは簡単に否定された


「違う!!まぁ、めっちゃタイプだけど(笑)」

『じゃあ誰??』


まさか、空澄じゃ‥‥と、思っていた俺は大きく裏切られた


「りっちゃん。」

『‥‥‥』

「おーい?桃真ぁ(笑)??」


隆平が俺の目の前で手をひらひらさせて名前を呼ぶ。


『…知らなかったし、気づかなかった……』

「お前りっちゃん苦手だからなぁ〜、お前の前でりっちゃんと話すことあんまりなかったし!!」


って、勝ち誇ったように笑った隆平。

そういえば、今まで隆平の恋の話なんてしたことなかったからなぁ。
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