いちごキャンディー
仲良く朝食を食べて一緒に家を出た。

学校へ向かって5分ほど歩いただろうか、急に空澄が叫んだ。


「忘れたっ!忘れたぁ!!」

『何を?』

「取りに帰るっ!」


俺の質問の返事になってないから!


『だから何を忘れ…って!?』


空澄の方に視線を向けるとそこに姿はなく、すでに自宅に向かって走り出していた。


『空澄っ!』


そして俺も進むべき道を逆走しながらその後を追った。

慌ただしく家へ飛び込み、けたたましい足音と共に戻ってきた。途中空澄の叫び声が聞こえたからきっと転けたな(笑)


『で?何忘れたんだよ?』


再び学校へ向けての道を進む中たずねた。


「ん?生徒会で使う書類だよ!」

『…ふぅん。』


また生徒会かよ…


「矢野君に叱られるとこだったよぉ。」


安堵の表情を浮かべる空澄とは違い、不機嫌そうに眉間に皺を刻んでゆく桃真。


「あ、今日こそは先に帰ってていいからね!」

『は?』


空澄が何を言いたいのかわかったけど、あえて意味解らなさそうに言ってみた…


「今日も会議があるの!だから、ね?」

『‥‥』

「毎日大変だよー!!」


そう言う君の笑顔は、恋していますと言っているみたいだ…
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