いちごキャンディー
これが正解でしょ?と言うように俺を見つめる空澄


『どう?緊張はほぐれた?』


そう聞いたら首を横に振った


『じゃあ、俺が教えてやるよ!』

「効くのぉ??」


なんか怪しい雰囲気を感じ取ったのか、疑っているようだ。


『右手で鼻摘んで?』

「‥‥こぉ?」


疑いながらも言う通りにするところからみて、かなり緊張しているんだろう。


『じゃあ次空を見上げて?』

「何なのー??」


何て言いながらもすぐに空を見上げた。


『そして目をつぶる。』

「意味わかんない‥‥」


空澄が目をつぶったのを確認して、自分のコートのポケットに手を突っ込んだ。


『‥‥たぶんさ、このおまじないは空澄にしか効かないな(笑)』


そう言いながらポケットから取り出した飴の包みを開けた


「何で??」

『んー??何ででしょうね?』


鼻を摘んでいるから息をするために開けた口の中に取り出した飴を落としてやった。


「んっ!?」

『もういーよ(笑)』


俺がそう言ったと同時に鼻を摘んでいた右手を離し、目を開けて俺の顔を見た。


「飴だぁ(笑)」


緊張はどこへ行ったのか空澄の笑顔が戻った。
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