いちごキャンディー
再び待ち合わせ場所に向かって歩き始めた。笑顔で飴を味わう空澄に聞いてみた。


『緊張は?!』

「飴がおいしいからもう忘れた(笑)」


バカな奴だと思ったけど、可愛い奴だとも思った。


「ももちゃんっていっつも飴持ってるよね?」

『たまたまだろ?!あ、催促したってもうねぇからな!!』

「別にねだったわけじゃないもんっ!!」


俺の言葉にそう言い返してきた空澄


――
――――

「あ、日高君!!三浦さん!!」


待ち合わせの場所に着くと青田が待っていたが、隆平の姿はなかった。


『あいつは?』

「まだ来てないよぉ(笑)」

「何かあったのかな!?」


心配そうに呟いた空澄に青田が言った。


「大丈夫よ、いつもこうなのよぅ!!あいつ。」

『そうなのか?』

「そーなのぉ!!」


青田の言葉に疑問を抱いて聞き返してみたけど、青田の答えは覆らなかった。

空澄の方をみると空澄も意外だという顔をしていた。それもそのはず、俺たちとの約束には遅れたことがないのだから。


「あ、来たよ!!隆平くんっ!」


空澄の見つめる先から隆平がこっちへ向かって走って来ていた。
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