いちごキャンディー
たくさん並んだガラスの箱。みんなが一生懸命チャレンジしている。

そのガラスの向こう側で、ひしめき合うぬいぐるみの山を指さし彼氏にねだる女の子達。

UFOキャッチャーのコーナーはクリスマスイブというのも手伝ってか、カップルで賑わっている。

隆平もその一角でぬいぐるみと闘っている。そんな隆平の隣で空澄はじっとその箱の中を見つめていた。



「わ、隆平くん上手!!」


空澄は隆平に尊敬の眼差しを向けていた。


『おー!すげぇな…』


隆平はねらいを外すことなくちゃんとクレーンですくい上げて目的のぬいぐるみを穴に落とした。


「とれたっ(笑)どーぞ!!」

「わぁ、ありがと!!」


戦利品を取り出して空澄に渡した隆平は青田に声をかけた。


「りっちゃんも取ってあげましょうかぁ??(笑)」

だかその問いに


「いらないっ!!」


青田はきっぱりとそう答えた。

空澄はそんな2人の脇を抜けて、俺のところへ寄ってきた。


「見て見て!!」

『よかったなぁ!!』


100円で空澄をこんなに喜ばせて笑顔に出来るのに、青田は無理みたいだ…女の子って難しいんだなぁ。と、友達が身を持って教えてくれた(笑)
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