いちごキャンディー
さっきから何度も携帯を鳴らしているのに空澄も隆平も出ない。

俺がいないのに気づいたら携帯は普通気にするだろ?と、いうことは2人して家に忘れてきている可能性が高い。青田の番号はしらねぇしなぁ…


――迷子のお知らせです‥‥


『っ!!』


1人は怖くない。たださっきから恐れていることがある‥‥あの2人ならやりかねない…青田は止めてくれるだろうか?

‥館内迷子アナウンス。それで探されるのだけは絶対に避けたい!

15にもなって恥ずかしい。



『6時か‥‥』


俺がそう呟いた瞬間だった


「日高君!!」

『青田っ?!』


よかった!!と、思ったのもつかの間。空澄と隆平の姿がない。


「あれ?2人は?!」

『俺1人だよ。』


青田も俺と同じ状況だったらしい。せめて空澄と隆平は一緒にいてほしいと思った。


「隆平携帯でないの…」

『俺も2人とも鳴らしたけど…』


“たぶん忘れてるんだよ”って言うと青田は“絶望的だねぇ…”と力なく返事をした。


「あ!もう暗くなったし、ツリーの所行かない?」


青田の提案に頷いて、そこで会えることを願ってツリーへ向かった
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