いちごキャンディー
「でも、空澄ちゃんも鈍感だよなぁ。ももちゃんはこんなにわかりやすいのにねー?」
『…その呼び方やめろ!』
それは、空澄だけの特別だから。
「はいはい(笑)」
『なぁー……俺どうすればいい?』
少し躊躇いはあったけど思い切って聞いてみた
「ぷっ…。」
『なっ…何、笑ってんだよっ!』
「だってさ、絶対後悔してるだろ?」
『……わりぃかよ…』
こんな事なら早く告白しとけばよかった…
「まだ決まったわけじゃないんだろ?悪足掻きすりゃいいじゃん?!」
――夕日も沈みかけ、足下の影を伸ばす。
その赤を浴び、縮こまった姿がぽつり。
「ももちゃん?!」
それに近づく空澄、二つの影が一つになった。
『…んー……』
「寝てたの(笑)?」
『っ///!!…空澄待ってて……』
最悪…昇降口で寝てたなんて。
「今日も待っててくれたんだね!」
『一人で帰るの危ないだろ…』
違う、俺がお前と一緒にいたいだけ‥‥
「ありがとっ!」
そう言って笑う空澄は、俺のグジャグジャした思いに気づかずにいる。
『じゃあ帰…「三浦っ!」
空澄を呼ぶ声が聞こえて、駆けてくる足音がする…