いちごキャンディー
この世の全てが止まった気がした。それでも時計の針はチクタクと時を刻んでいるし、心臓は高鳴りをやめない。

階段の下からは笑い声が響いてくる。


止まっているのは俺と空澄だけみたいだ。



「何言って‥‥」

『好きだよ。俺は空澄が好きだ、ずっと好きだった。』


今度はさっきよりも少し力強く言った。


『…よかったな。ロマンチックじゃん?!』


そう笑って言って、俺が空澄から視線を窓の外に向けると、空澄が窓を振り返った。


「雪‥‥」


窓の外はひらひらと雪が舞っていた。


『窓閉めろよ(笑)寒いだろー!!』


空澄の腕はその言葉に反応して窓に向かったけど、縁に触れただけで閉めようとはしなかった。


『お前お祈りしてたもんなぁ。あ、でもまだイブか。』

「‥‥すごいなぁ、私。」


そう呟いてた空澄は信じられない!!と言うような顔をしていた。


それからしばらく空澄は雪を眺めていた。



なぁ??伝わったかな。


…俺の気持ち。



俺はお前が…空澄が‥‥

好きだよ。
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