いちごキャンディー
昨日はあれからずっと沈黙が続いて、お互い何も言わなかった。

そのうち空澄は“そろそろ寝るね”と言って俺の部屋を出て、俺はあいつの気持ちを聞くこともなく“おやすみ”と言った。



朝、目が覚めてリビングに行くとそこには誰もいなかった。

時刻は10時半。


父さんとおじさんはまだ寝てるんだろうと思ったけど、母さんとおばさんは…と思った時テーブルの上の置き手紙に気づいた。


“クリスマスセールに行ってきます!ご飯は冷蔵庫の中!”


『なるほど(笑)』


冷蔵庫を開けるとラップがかかったお皿が三枚入っていた。

一つを取り出しレンジにかけた


『空澄もう起きてんだ‥‥』


お皿が三枚しかないところを見ると空澄はもう食べたということだろう。

ふと目に留まったツリーの下。

見覚えのない箱が置かれていた。


『何だぁ??これ?』


拾い上げた箱にはカードが付いていた。二つにおられたカードを開くと…


“Merry Christmas”

と書かれているだけで誰宛なのかはわからないのに、俺は何の躊躇いもなく包みを開けた。


『飴?』


箱の中には小さな瓶が入っていて、その中には赤い色した飴がたくさん詰まっていた。
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