いちごキャンディー
俺がそんな事を考えている間も空澄はどんどん話を進めていく


「昨日、隆平君にも言われた‥‥」

『隆平に??』

「うん。」



――

赤と白と緑とキラキラ光るゴールドの飾り付けが綺麗で目を奪われた。それを伝えたくて伸ばした手を通りすがりの人に弾かれて気づいた。


「…もも‥ちゃん??」


押し寄せる人並みに募る不安。


「もしかして‥迷子…!?」


どうしようと思った瞬間


「空澄ちゃんっ!!」


急に肩を掴まれて振り返ると隆平君が立っていた


「隆平君!よかったぁ…迷子になったのかと思った。」

「俺ずっと後ろにいたよ??(笑)」

「なんだぁ(笑)あれ?二人は??」


良かったと思ったのもつかの間。ももちゃんと青田さんとは、はぐれたらしい…


「携帯もってる?俺忘れちゃって(苦笑)」

「ちょっと待って‥‥っ!」


鞄に入れた空澄の手が止まる


「忘れたみたい…」

「‥‥どーしよっか?!」

暫く間その場にいたけれど、沢山の人の中から二人は見つからなかった。


「ツリーに行ってみる?」

「そーだなぁ。」


私の提案に隆平君は頷いた。
< 148 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop