いちごキャンディー
ツリーに向かいながら私は隆平君に聞いた。


「青田さんのどこが好きなの?」

「よく気がつく所かなぁ。花瓶の水換えたり、休んでる子のノート取ってあげたり。転校生に声かけてあげたり、画鋲が外れた掲示物直したり…そんなとこ。」


隆平君は少し照れ臭そうに笑った。


「優しいもんね!!」


今日は私に気を使ってくれてたのが凄くわかったし、優しかった。

隆平君が好きになるのもわかるなぁって思ってた時、隆平君の口から信じられない質問が飛び出した。


「空澄ちゃんは?桃真のどこが好きなの??」

「…何で知ってるの?」


私、言ってないのに…誰にもいってないのに。


「今更?(笑)俺、知ってたよ。空澄ちゃんが家に来た日からそうじゃないかと思ってた。」

「でも、あの時はまだ‥!!」

「自分で気づいてなかっただけでしょ?あいつが榊と別れてから空澄ちゃん様子おかしかったし。」


隆平くんは、少しからかうように笑った。


「う゛っ‥‥うん…」


バレてたんだ‥‥他の人にはわかるのに何で自分で気づかないんだろう…人に言われて気づく何てね、バカみたい。

ずっと傍にいて、気づかなかった。気づくのが怖かったのかもしれない。

あの日、ふられた事より辛かった…ももちゃんが若葉を好きだって事。

それでも、ももちゃんは来てくれた。いつものようにいちごキャンディーを持って‥‥
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