いちごキャンディー
俺の言葉なんか聞かずにリースを持って俺の部屋に向かう空澄


「飾ったげるー(笑)」


その素早い行動で姿は見えなくなったが、階段を上る音と一緒にそう叫ぶのが聞こえた。


『待てよっ!!』


そして俺も自分の部屋に向かった。ツリーの下に置きっぱなしだったキャンディーの瓶を持って。

そんな俺たちを見て二人は笑っていた。


部屋のドアを開けるとすぐ目の前の壁にリースがかけられていた。


「ももちゃんの部屋全然変わってないね!」

『は?』

「画鋲のある場所が昔と同じだった(笑)」


そういえば昔から俺の部屋にいろんな物を持ち込んで飾ったりしてたな。


『どーせすぐ外すのに(笑)』

「えー、ずっと飾っててよ!!」


リースの真下にお気に入りのクッションを抱いて陣取る空澄はリースを見上げて抗議してきた。


『いや、春になったらおかしいだろ(笑)』

「ちぇっ。あ、おいしかった?」


俺が手に持っていた瓶を見て空澄が言った。


『あ‥‥食べてない(笑)』


そう言って机にその瓶を置き訪ねた。


『何で飴?』


空澄は俺が甘い物食べないって知っているはずなのに。

まぁ、食べれないわけではないけど。
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