いちごキャンディー


『…なぁ、知ってる?西洋では男性は、クリスマスの日に宿り木の下にいる女性に、キスしてもいいんだって。』


空澄が何かを言いかけたけど、俺はそれを遮ってそう話した。


「やどりぎぃ!?」


やどりぎが何なのか知らないのだろう、頭にはてなを浮かべる空澄。

頭上にある物を指さしてやると、俺の指を追って上を向いた。


「リース?‥えっ!?‥‥や、ここは西洋じゃ‥っ!!」


その意味を理解したらしく、何とかこの状況を打開しようとする空澄

――ちゅっ


『うん、わかってるよ。ここは日本だもんな!』

「っ〜////」


その唇に自分のそれを重ねた。ほんの少し触れただけのキス…空澄はただ顔を赤くして動きを止めた。

初めてのキスはいちごキャンディーの甘い香りがした。



『なにがあっても守るから。』

「ねぇ‥‥ももちゃん。さっきから何言ってるの??」


さっき遮った言葉の続きだろうか??空澄は俺の顔を眺めながらそう言った。


『お前いやがらせとかされてるんだろ??だから…』

「誰に?」


様子がおかしい……。


『一部の女子に…』

「何で??」


コレはもしかして、もしかしなくても‥‥
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