いちごキャンディー
『今日はもうオバさん帰ってるの?』

「え?」

『いや、まだ帰ってないんじゃねぇの??一日で終わんの?』


葬儀が終わるまで手伝いするって話だったからなぁ。よくわかんねぇけどお通夜があって葬式があって…それって一日で終わるのか?


「だぁあぁ…!!そっかぁ!じゃあ今日も、ももちゃんち?」


首を傾げて訪ねてくる空澄みが可愛い


『俺に聞くなよ(笑)でも、そうなるんじゃねーの!?』

「今日もお世話になりますっ!!」


そう言って頭を下げた空澄がとんでもない事を言い出した。


「今日は真桜兄とお風呂入ったげようかなぁ〜!」

『ぶふっ!!おまっ////何考えてんだよ!』


まさか本気で言ってんじゃねぇよな……?


「ダメかな??」

『本気ですかぁっ!?』

「ダメ?じゃあ三人で入る??」


また何を言い出すかと思えば…ってか、お前絶対無理でしょ?


「やっぱ無理ぃ(笑)」

『バーカ(笑)俺だってイヤだっつーの!』



キミの好きな人は矢野なんだろうと思う


それでもまだ…君の口から告げられるまでは、知らないふりして悪足掻きさせてよ

こんな何でもない帰り道さえ、俺には大切な時間なんだから…
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