いちごキャンディー
偽り
朝、目が覚めて視界に飛び込んできた時計を見て改めて思った。


『…あーまだ7時にもなってねぇ。』


小さい頃は遠足とか楽しみで早く目が覚めたけど…

久しぶりに空澄と過ごす休日に浮かれてるみたいだ!結局嬉しいんだな…俺。

昨日から決めていた服に着替えてリビングに向かった。


「おはよう!早いのね!?」

『おはよう。うん、今日は動物園に……何?』


母さんの顔がだんだんニヤケていくのがわかる


「誰とぉ?」


ニヤニヤしすぎですけど?


『空澄、榊、隆平。』

「さかき?」


なるべく早口で、さらに空澄と隆平の名前の間に挟んで小さめの声で言ったけど、ちゃんと榊の名前を聞き取ったらしい。


『空澄の友達。』

「ふぅん。可愛い?」

『まぁ、隆平は可愛いって言ってたよ?』

「…親の私が言うのもどうかと思うけど、桃真って本当に一途ね(笑)」


母さんはそう言って笑ったけど、その後は何にも言わなかった


『……遅い。』


只今の時刻 9時30分


「40分に来る約束なの?」


『うん。』


約束の10分ほど前に現れて、うちで今日の計画を話すのがいつものパターンなんだけど、今日は来ないな…
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