いちごキャンディー
あんな小さな声で呼ばれたって起きねぇよな…


「‥‥zZ」


未だ寝息をたてる空澄。時計を見るともう9時50分を過ぎていた


『あ…』


空澄が俺の部屋に置いていったくまと同じくまがいる。俺の部屋にあるやつの方が少しでかいな…

淡いピンクのカーテン

白いローテーブル

くま以外にも沢山置かれたぬいぐるみ


昔から変わらず可愛い雰囲気の部屋


『…キャビネットの位置変わってんじゃん。こんなでっけーポスター貼ってんだな…ミーハー(笑)』


知らないうちに模様替えされた部屋

空澄の大好きなアイドルグループのメンバーのポスター

こいつ名前なんだっけ?


『………』


空澄の眠るベッドの横にひざまづいて、その顔をのぞき込んだ桃真


『…(笑)』


とても愛おしそうな微笑みを浮かべ、空澄の頭を優しく撫で髪を梳く


「…んふぅー……zZ」

『っ(笑)…さてと……おぃ、空澄!!起きろっ!おぃっ!!!!』


先ほどの遠慮がちな呼びかけとは違い、本気で起こしにかかる


「っ!!……ふぇ??………ももちゃん?!」


飛び起きた空澄の目に映ったのは


『おはよう(笑)』


怖いくらいの桃真の笑顔だった
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