いちごキャンディー
『何?!探してたのか?』

空澄が自分を探してた。ただそれだけで、顔が綻ぶ自分が恥ずかしい。



「うん!今日ね、生徒会があるから先に帰って!」

『そんな事か。いーよ、待ってる!』

「遅くなるからいーよ!あっ!!始まっちゃうから行くね!」


よほど急いでいるのか、それだけ言って走って行った。


『なんだよ…俺はお前と一緒に帰りたいんだっつーの!』


小さくなるあいつの後ろ姿を見ながら呟いた…







――‥…


やっぱり帰れなくて、結局待ってる俺…

だって最近は登下校ぐらいしか、一緒にいる時間がないから…


『‥‥あっ!!』


生徒会室の電気が消えたのが見えた、会議が終わったみたいだ!


三分ほどして昇降口で人影が動いたのが見え、空澄が出てきた。



『あず…っ?!』


声をかけようとした俺の目に、見たくない景色が広がった…


「校則を変えるのって大変だねぇ!!」

「でも、理不尽な校則もあるじゃん?!そういうのは俺らが全部変えてやろうぜ!後の世の為(笑)」


空澄の隣に男がいて、一緒に出てきた。


「だねっ!」


空澄が笑顔を向けて話す相手

矢野 剛《ヤノツヨシ》生徒会長だ…
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