いちごキャンディー
「知ってる(笑)」


そう言って笑った榊は素直に可愛かった。


『じゃ、誰かのせいで遅くなったけど行くか(笑)』


空澄を見ながらそう言うと


「ひどいっ!!」


って頬を膨らませた。

榊の笑顔よりずっと可愛かった。


それから俺たちは電車とバスを乗り継いで目的地へ向かった。



「動物園とか久しぶり!」


入園料を払って園内マップを開きながら榊が言った。周りを見渡すと親子連れで賑わっている。


「私も!!」


母親としっかり手を繋ぐ幼い子供を見て心配になって空澄に言った。


『頼むから、はしゃぎすぎて迷子になんなよ(笑)』


そう注意すると空澄は勢いよく言い返してきた。


「ももちゃんもっ!!」

『俺はないから(笑)』

「はいはい、二人とも迷子には気をつけましょうねぇ(笑)」


そんな俺たちに隆平が言った
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