いちごキャンディー
落ちかけた夕日が空をオレンジに染めて綺麗だ。伸びた影が二つ並んでついてくる。


「楽しかったね?」

『…そうだな。』


駅で二人と別れ今日の感想を話しながら帰っていた。


「若葉どうだった?」

『いい子だな。可愛いし、サバサバしてて話しやすかった。』


言った事は嘘じゃないし、本当にいい子だと思った。


「よかったぁ!!」


でも…好きにはならないよ。


「……ももちゃん、ほんとは嫌だった?」

『何で?』

「昨日おかしかった…」


俯きながら呟いた空澄


『…嫌じゃなかったよ。』

「本当?」


聞きかえしてきたが、空澄は未だ俯いたまま。


『本当。…ごめんな、ちょっとへこんでた。』


今度は俺の目をしっかり見つめながら何で?って顔をした。


『……好きな子に…ふられたから。』


だから俺も空澄の目をしっかり見つめながら答えた。


「えっ…」

『ふられたんだ…』


見つめたその目は少し震えたように見えた


「ごめんなさい…」

『何で謝るの!…っ!!空澄?』


俺は笑ったのに、空澄の頬を涙が撫でて、アスファルトに消えた。
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