いちごキャンディー
イヤだ…ムカつく。
止めてくれっ!


なぁ、空澄。

俺を置いて行かないで…



『空澄っ!』


俺はでかい声で空澄を呼んだ。


「っ?!ももちゃん!?」


驚いた顔の空澄を見ると“待ってちゃ迷惑だったかよ!”と、卑屈な気持ちになった。


『待ってた!』


空澄にそう言いながら、矢野をちらっと見ると


「俺、帰るな!じゃあな、三浦!日高も!」


矢野はそう言って帰って行った。


「帰っていいって言ったのに…」

『…』


…俺が待っていたかったんだよ。


「でも、ありがとっ!」

『っ!…おぅ///』


お前が笑ってくれさえすれば、胸のモヤモヤも全部消えるんだ。


『帰るぞっ!』


…クゥゥ〜……


『‥?!』

「…えへっ(笑)お腹すいちゃった////」

『今の腹の音かよっ!』

「しょうがないじゃんっ!お腹すいたんだもん!」

『仕方ねぇなぁ…』


制服のポケットをゴソゴソとあさって何かを探す桃真

それを空澄は不思議そうな顔して見ている。


『ほらっ!』


俺が突き出した左手の下に、両手を差し出して受ける仕草をする空澄

左手を開いてやる…


『それで我慢しとけ(笑)』
< 4 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop