いちごキャンディー

「…俺ってすげぇんだけど(笑)」

『あ?』

「お前の心の声が聞こえる(笑)」


何言ってるんだこいつはと、怪訝そうな顔をする桃真


「何で空澄は兄貴みてぇな奴を好きっつーんだろ?って思ったろ!」

『…厳密に言うとこんなバカでうざくてうるさいが付くけど?』

「うわ、ひでぇ(笑)」

『ふん、本当の事だろ!』


飲み終わった麦茶のグラスをシンクの中に置き、真桜とテーブルを挟んだ反対側に腰を下ろした

どうだ?否定するのか?と言う表情で挑戦的な視線を送ってみる


「ほんっとガキだな。」


ガキと言われれば思い当たる事だらけで反論できない


「最近機嫌悪いけど、空澄に好きな奴いるから俺に八つ当たり?!(笑)その何とか君って、んないい男なの?」

『えっ?』

「は?」


兄貴がいつものからかうような顔から、驚いて急に真剣になった。

それが何を意味するのか何となくわかったけど

わかりたくはなかった


「好きな奴いるって事は知ってる…でも、名前は聞いてない…」


さっきからついているだけのテレビに目線を移した

何かが動いてはいたけど内容はよくわかんなかった


空澄は兄貴に相談してるんだ…
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