いちごキャンディー
教室に入ると予想通り隆平が話しかけてきた

昨日の事を気にしてるんだろう


「昨日は悪かったな…」

『いつもの事だよ??あいつ昔から、どこでも寝るんだよ。』


きっと上手く笑えたんだと思う


「そっか!」


隆平も笑ったから…



いつもと変わらず時間は過ぎていった

変わらず過ぎる時間が逆に虚しくさせた


「日高ーっ!!呼んでるぞ!」


昼休みに入ってクラスの奴に呼ばれると

教室の入り口に女の子が立っていた



『何?』

「ここじゃちょっと…あの…少しいい?」

『うん。』


そう言われて後を付いて歩いた

裏庭に着いて立ち止まっり、振り向いてその子は言った


「好きです。…つき合ってくださいっ!」

『…』


何でそんなに簡単に言えるの??

君は俺の何を知ってるの??


俺は君に何をしてあげればいい??



『ごめん。』

「……そ…だよね。あはっ!好きな人いるって事は聞いてたんだけど…」


知ってたのに何で告白なんかするんだよ


『…じゃあ』


その場を立ち去ろうとした俺の耳に、信じがたい言葉が届いた


「ありがとう!」

『は?』

「ちゃんと聞いて、答えてくれたから!!」
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