いちごキャンディー
空澄の手の上に落とされたのは

一粒のキャンディー


「わぁーいっ!いただきまーす!」


大げさに喜んで包みを開け、すぐさま飴を口に放る空澄


『ガキみてー(笑)』


そんな姿を見て桃真は、愛おしそうに笑った


「いーの!…ももちゃんのは?」

『それしかねぇし、俺は甘いもん好きじゃない。』

「小さい頃から甘い物を食べない、すかした子供だったよね(笑)私のドロップの薄荷だけ食べてたよね!」


クスクス笑いながら“私が薄荷嫌いだったから”と言った空澄


『すかしたは余計だろっ(笑)』

「だって誕生日ケーキとかも食べなかったじゃん(笑)」

『あいつは凶器的だ(笑)』

「なにそれ(笑)だから、私が代わりに食べて太っちゃうんだよ!」


そうそう(笑)俺の分まで食うんだよなぁ…(笑)


『お前はもっと太りなさい!』


ちいせぇ頃は同じぐらいだった背も、頭一つ追い越した。腕だってお前一人守るぐらいは出来るよ。なぁ…お前気づいてる?

「やだぁ…みんな細いんだもん!」

『お前も細いって!』


その小さな体のどこに元気が詰まってんだろう


「若葉のあの細さっ!!」


空澄が吠えてる…(笑)
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