いちごキャンディー
空澄が口にした名前の人物を、思い描きながら考えた。


『榊かぁ…確かに細いかも。』


榊 若葉《サカキワカバ》
空澄の親友だ。

可愛いくて男子に大人気の女の子。


「でしょ?美人だし、モテモテだよっ!」


羨ましい!何て言いながら頬を膨らませてる。


『何?お前モテたいの?』


ちょっと引っかかったんで聞いてみた…


「んー…モテなくてもいい(笑)」

『なんだよそれ(笑)』


なんて言いながら、安心してたりする自分がいる。


「だけど、好きな人には可愛いって思われたいでしょ?」

『お前…好きな奴……いんの??』


恐る恐る聞いてみた…
やべぇ…声震えてたかも…


「いるよ。」


はにかんで笑う空澄を前にして


『そっか…』


と、言うしかない自分が情けなかった。


「ももちゃんは??いないの??」


なんて無邪気に聞いてきた空澄


『‥いるけど?』

「やっぱり!あんなに告白されてるのに断ってるから、スキな人いるんじゃないかなぁって思ってたんだ!」

『……』


お前だっつーの!


「最初はね、受験生だからかなぁって思ったんだけどさぁ…ももちゃん頭いいから彼女できたぐらいじゃ成績落ちないよね!」


って笑う空澄が憎らしい。
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