いちごキャンディー
「前から浅黄に行きたいって言ってたもんね!ももちゃんならきっと受かるよ!」


空澄がそう行って笑ってくれたなら、俺も受かる気がしてきたよ


『空澄も頑張れよ?ってか、お前は成績どうだったんだ!?』

「ぅえ゛っ‥‥!」


俺が空澄に視線を送ると目を逸らした。


『‥‥‥見せてみろよ。』

俺のを見てしまった手前イヤとは言えなかったのだろう。

かなり遅い動作で鞄から成績表を取り出して俺の前につきだした


―パラッ

『下がってんじゃんっ!!』


空澄は決してバカじゃない。

国語、英語、社会、理科はそこそこの成績なのに数学だけが苦手だということはわかっていた。


それでも、何とか頑張って“3”をキープしていたのだが


「うん‥‥」


その苦手な数学が2年の終わりには“3”だったのに“1”まで落ちていた


『何で‥‥っ!!』


そっか…

今までは、テスト前になると俺が教えてあげてたんだった‥‥


だけど、三年になってから教えた記憶がない


「何でだろっ(笑)」


あぁ…遠慮してたんだ


『‥‥夏休みの間に俺がお前の成績上げてやる。』
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