いちごキャンディー
――次の日―


『お、逃げずに来たな(笑)』


俺の部屋まで上がってきた空澄にそう声をかけた


「参りましたよぅ!!」


少しめんどくさそうに答える空澄


『ま、座れよ(笑)』


さっそく教科書を開こうとした俺だったけど、空澄の発言にその行動は止まった


「ももちゃんの部屋久しぶりー!こないだ泊まった時も起こしに来た時しか入ってないもんなぁ!!」


辺りを見渡しながら記憶と照らしあわせているのだろう“ふーん”とか“へぇ”とかブツブツ聞こえる(笑)


「相変わらずきれいだね」


と笑った


『ほら、勉強始め「くまじろうーっ!!」


またしても俺を遮って、聞いたことのない名前を叫んだ


『くまじろう?』

「くまじろうっ!」


俺の部屋に置いていかれた熊のぬいぐるみを抱き抱えて答えた


『へぇ‥‥』


興味なさげに相づちを打った俺に、


「うちにもいるんだよ!!うちの子はくまごろうなの(笑)」


と、どうでもいい事を教えてくれた


『はいはい、もう勉強始めていいか?!』

「あ、その前に音楽かけてもいい?」

『集中できるならな?』


俺の言葉に“できるもんねぇ”と答えてCDを物色し始めた
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