いちごキャンディー
さっきまでガサガサしていた空澄の手が止まった


「こんな趣味があったのっ?!」


俺の方を振り返り手にしたCDを俺に見せる


『お前好きだろ?買ってみたけど一回も聞いてねぇな(笑)』

「言ってくれたら貸したげたのに」


と、言いながらそのCDをコンポにセットして再生ボタンを押した

音楽がかかって俺の隣に戻ってきて腰を下ろした


『じゃ、始めるぞ!』

「はぁい‥‥」


大好きな音楽がかかっているのに、気分は乗らないみたいだ




『だぁっ!!そこ、違う!』

「へ?」

『ここ、これはなんですか?!』


そう聞くと小さな声で


「‥‥プラス」


と、答える空澄


『で、今お前どうした?』

「か‥かけました。」

『落ち着けよ、お前結構わかってんじゃん?!そういうイージーミスから減らしていこうぜ?なっ?』


優しくそう言葉をかけてあげると元気に返事をしてくれた


「うん!」

『じゃあ、ちょっとこの問題やってて。』


そう言って俺は部屋を出て台所に向かった
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