いちごキャンディー
俺たちは榊の家に向かって歩き始めた


「‥ね、手繋いでもいいかな?」

『ん?いいよ。はい。』


榊がそう言ったから俺は手を差し出した

その手を榊が握り返した


「女の子になったみたいだぁ(笑)」

『いや、女の子でしょ(笑)』


何を言ってるんだろうって思って俺は笑った


「だって、クッキーも上手に焼けないんだよ??」

『だから?』

「裁縫も得意じゃないしね。」

『家庭科2だもんな(笑)』


榊が何を思ってそんな風に言うのかが解らない


「髪もさ、昔っからショートなんだっ!!」

『似合ってるよ?』

「っ////ありがと…」


ほら、そうやって照れてる顔なんて女の子だよ


「性格だって男っぽいしさ…」

『あはは。』

「何で笑うのっ?!」


ほんとに可愛いと思ったよ


『そうやって、男っぽいって気にしてる所が女の子っぽいよ。』

「っ////」

『可愛いー!』


ちゃかすように言えば“うるさいっ”って怒られた


俺はこんな榊を本当に可愛いって思ってるし、大事にしたいとも思うよ



だけど、ごめん‥‥約束守れてないな

嘘は吐かないって約束したのに


まだ、榊に“好き”とは言ってあげられない。
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