いちごキャンディー
噴水で水浴びする子供の声が聞こえる

蝉の声も五月蠅い‥‥


「‥‥」
『…』


俺たちには一瞬の沈黙


『ぁ‥悪い……そうゆう意味じゃなくて…』


俺が先に口を開いて、その言葉の意図を説明しようとすると、矢野は笑った


「や、俺バカだから(笑)」


その顔を見ても、もうイライラはしなかった


「‥俺さぁ‥…」


少し遠慮がちに矢野が話始めた


「俺、若葉とは小学校が同じで‥日高と三浦ほどじゃないけど、まぁ結構仲良くてさ…」

『へぇ‥‥』


俺の相槌に“あ、別れろって事じゃないから”と、もう一度念を押してきた

そして、俺の目を見て躊躇いながら話を続けた


「今日‥‥若葉に言ったんだ」

『何を?』

「好きだって‥‥」


矢野はきまずそうな顔をしている


『それで?』


俺には何がなんだかさっぱりわからない

ようするに、矢野は榊に告白したわけだ。それは解った!!で、いったいなにを俺に頼みたいと言うんだろう‥‥


「ふられた(笑)」


本当に何が言いたいんだよ‥‥
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