いちごキャンディー
家に帰って考えた、俺はどうするべきなのか…


『‥空澄知ってんのかなぁ‥‥矢野のこと…』


アメリカに行くこと
榊を好きなこと


言えば悲しんで泣くんだろうか…


――ピッ

携帯を取り出して空澄の名前を探した


空澄が泣いても、それでもアメリカ行きを教えてあげなきゃと思った

空澄の為に出来ることがそれしか見つからないんだ




『もしもし?』

「‥ももちゃん、どーしたの?」

『あ‥いや‥…』


伝えなきゃダメなのに空澄の声を聞くと上手く言葉にならない


「何ぃ(笑)?!」


電話越しにクスクスと笑う君の声が響いた

その笑い声の中に混ざって聞こえた音が俺の次の言葉を変えた


『お前、今家にいるのか??』

「あ、うん。」

『‥‥何してた?』

「ぇ‥‥‥」


俺の言葉が予想外だったのか、空澄は黙ってしまった


『今日、何の用事だったんだ??』


空澄は答えない


『俺、今からいってもいいか??』


それでも空澄は答えない


『待ってろ。行くから。』


それだけ伝えて電話を切った
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