いちごキャンディー
『うるさいなぁ…関係ないだろっ!!』
だいたいさぁ、俺まだ玄関なんですけどっ!!
RPGのザコキャラみたいに、わらわら出てきやがって!さっさと上がらせろよっ!!
「つーか何で玄関にいんの?早く上がったら?」
兄貴が言った。
『誰のせいだよっ!!』
「あら!?誰のせいかしら!?」
『二人のせいだよっ!!』
毎度の事ながら疲れる…家でこんな会話をしているのを知っているからだろう。学校にいる俺は静かだ!と空澄が言ってきた事があった。
でも、そんな俺を知ってるのが空澄だけだから嬉しい。なんて思うのはおかしいだろうか…
うん、おかしいな!この状況でっ!!
―がちゃッ
「ッうぇおぃっ!?何やってんだぁ?みんなして、玄関で…」
『「「あ、おかえりなさい。」」』
急に戸が開き、父さんが帰ってきた。
“ッうぇおぃっ”って…それはどうかと思うよ??父さん…。
――がちゃ
「…え?みんな玄関で何してるの?」
『空澄?!』
またすぐに戸が開いて空澄が入ってきた。
「よっ!空澄!」
「あー真桜兄っ!!」
『つーか、そろそろ上がんない?』
「いらっしゃい空澄ちゃん!おばさんから話は聞いてるわ!」