いちごキャンディー
それから、そんな日が何日か続いて

夏休みももう残り一日になって


今日は夏休み最後のデートだった


『おー…でかぁ……』


目の前を通り過ぎていった巨大な鮫


「こんな奴に食べられたら痛いよねぇ…」

『いや、痛いとかいう問題じゃなくない(笑)??』


夏休み最後の日

まだまだ暑いから少しでも涼しげな所を‥‥と、水族館をチョイスした


「そっか(笑)」


“死ぬよねー”って榊は笑った


『こっちは熱帯魚だな』

「わ、可愛いっ!!」


クマノミやエンジェルフィッシュなど、鮮やかな色の熱帯魚が泳いでいる


「きれいな色してるよねー!!食べれるのかな(笑)」

『食べれたとしても食いたくねぇよ(笑)』


そんな風に会話しながら館内を見て回った


「桃真っ!!あっちも行ってみよう?!」

『はいはいはい(笑)』


今日はいつにも増して元気な榊


俺はよほど水族館が好きなんだなぁって笑った


『そんな急がなくても、魚は逃げないって(笑)』

「でも、時間は限られてるもんっ!!」


そう言って振り返った榊の顔はその発言とは対照的で少し大人びて見えた
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