いちごキャンディー
教室に戻ったら榊と隆平はいなかった

俺の机にきれいな字で

“お腹すいたので帰りまーす”

と書かれたメモが残されていた


『‥‥帰るか(笑)』

「うん(笑)」



家に帰りながら俺は空澄に聞いた


『生徒会長大丈夫なのか?!』

「頑張るもんっ!!」


あ、大丈夫じゃねぇのか‥‥(笑)


『矢野‥‥いなくなって寂しくねぇ?』

「寂しいかな…」


そう呟いた空澄の横顔はとても綺麗だった


それからアメリカの話なんかをしながら帰って、もう家はすぐそこだって時


「真桜兄‥」


空澄がそう呟いた


『あ?まだ帰ってないけど!?』

「違う、あれ!真桜兄じゃない?!」


空澄が指さした先にいたのは紛れもなく兄貴だった


「兄貴っ?!」


家の前に兄貴が立っていて、

“おうっ!!”

何て言って笑った


「真桜兄‥‥その人…」

空澄が言うその人は兄貴の隣に立っていた

兄貴よりだいぶ小さくて幼く見えた


その人は目を細めて微笑んで言った


「初めまして、里田 紫織です」
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