姫とギター〜麗しき美男子の城〜
あれから2年。
俺は清香に言われて意地になり、結局夢を追い続けた。
でも、本当はあの頃、
もうすでに分かっていた。
俺は、それを上手に隠して、見ないように、気づかないようにしていただけだ。
壱たちを見ていると、時々羨ましくなる。
恐れるものなど何もなかった、あの頃の自分のようで。
昔の自分を、見ている気分だった。
――俺は歳を取りすぎたのかもしれない。
そろそろ、潮時だと思う。