姫とギター〜麗しき美男子の城〜
じわり、熱くなった目頭を誤魔化すように、俺も外へ飛び出す。
冷たい雨が、熱っぽい目頭を冷やしてくれた。
何が出来るかなんて、
きっと問題じゃないんだ。
俺は千早が好きで、大切で――失いたくない。
それは、俺だけの思いじゃねぇ。
香住にとっても。
梓月にとっても。
リョウにとっても。
だから、何かをしたいと思う。
守りたいと、思う。
その震える小さな肩を、
抱きしめたいと思うんだ。