姫とギター〜麗しき美男子の城〜
その夜、俺はバルコニーで夜空を見上げながら途方に暮れていた。
まったく嫌になる。
昼間のアイスクリーム屋での出来事があってから、俺は香住サンを直視できなくなった。
どうにも気まずくて、目を背けてしまうんだ。
香住サンの方は何でもなくて、いつもと同じ敬語喋りに戻っていたけれど。
俺と壱、香住サンの3人だけの夕食でも、俺は意味もなくそわそわして。
まともに飯が喉を通らなかった。
香住隼人、確実に要注意人物だ。