姫とギター〜麗しき美男子の城〜
俺は深く溜め息を吐き出した。
まったく。千早は分かってんのか?
女だって事がバレてマズいのは、ここにいる誰でもなく、桜子サマだ。
追い出されるのは確実。
「まっ、そーゆーことだから。
明日、朝早ぇし、俺もう寝るわ。」
さっさと自室へ引き上げていこうとする千早を、梓月は呼び止めた。
「っ!ぜってぇ帰ってこいよな!!」
千早は、
「はい、はい。」
と気のない返事を返した。