キスフレンド【完】

「黙っててもいいけど、マジで襲うよ?」


ただこっちを向いてほしいだけなのに、何て言ったらいいのか分からない。


女を落とすための甘い言葉なら、いくらでも思い浮かぶのに。


それなのに、姫の顔を上げることがこんなにも難しいなんて。



「……さっきの……――」


「ん?」


「さっきの女の子と……したの?」


すると、姫は震える声でそう言うとゆっくりと顔をもち上げた。


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