キスフレンド【完】
「……――理子ちゃん、おかえり」
この時間、絶対に家にいるはずのないお父さん。
ソファに座っていたお父さんは真剣な瞳をあたしに向けた。
「えっ……今日、仕事……は?」
「休んだよ。今日は理子ちゃんと腹を割って話をしたくてね」
「でも……この前も遼くんの誕生日で休んだし……。仕事クビにならないの?」
「今まで休みもとらずに真面目に働いてきたんだよ。2日有給をとったくらいじゃクビにならないよ」
ハハハッと冗談ぽく笑って見せるお父さん。
それなのに、目は笑っていない。