キスフレンド【完】
「……――シロ!?シロ、ここにいるよ?あたしも紫苑もここにいるんだよ!?」
突然、大きな声をあげた姫。
「どうした?」
「シロが目を開けたの!!」
姫の言葉にシロの顔を覗き込むと、シロは確かに目を開けていた。
片方しか開かない目でジッと俺達を見つめていた。
数日前からほとんど目を開けることのなかったシロ。
その瞳が徐々に閉じていく。
「シロ……?また寝ちゃうの?」
姫は鼻声になりながら必死にシロに話しかける。
でも、シロが目を開けることはなくて。