キスフレンド【完】
最後の力を振り絞って目を開けたシロ。
あの強くて真っ直ぐな瞳は永遠にあたしの記憶の中にある。
あたしと紫苑とシロで過ごした時間。
それは、誰にも触れられないあたし達だけの大切な想い出。
シロがあたしに教えてくれたこと。
それは『懸命に今を生きる』ということ。
大事なのはどれだけ生きたかじゃない。
生きている間にどれだけ懸命になれるかだ。
どんなに苦しくても懸命に食事を取ろうとしたのは、シロの『生』への強い思い。
あたしがずっと忘れていたことを、
シロが思い出させてくれた。