キスフレンド【完】
番外編
side】
あれから3年が経ち、高校を卒業してから一人暮らしを始めた。
少し古いけれど駅が近い格安の2DKアパート。
何より大学に徒歩で通えるのが一番のメリットだ。
毎日、アパートと大学の往復ばかり。
でも、今のあたしにとってそれが何よりも幸せだった。
いつだってすぐそばに紫苑がいるから。
本当は一人で住むはずだったけれど、しばらくしてから紫苑が転がり込んで。
『俺も一緒に住んでいい?』
そう聞かれて『NO』ということなんてできなくて。
それに、あたしも紫苑と同じことを思っていたから。
紫苑と一緒に暮らしたいって。
どんなときでも、紫苑のすぐそばにいたいって。
『いいよ』
『よかった。ダメって言われたらどうしようって思ってたんだ』
あたしがそう答えると、紫苑はホッとしたような表情を浮かべた。
そして、あたしと紫苑は同棲を始めた。