キスフレンド【完】
彼と関係をもった女の子は、この学校の中に何人いるんだろう。
多分、数え切れないくらいだろうな……。
『紫苑くんになら、遊ばれてもいい~!!』
なんて言ってる女子生徒もいるくらい。
女の子たちにそうまで言わせてしまう彼。
その気持ちは、ほんの少しだけ理解できる……。
そんな彼とあたしの接点は今まで何もなかった。
同じクラスになったこともないし、同じ委員会になったこともない。
それなのに、あたしは……
彼と接点を持ってしまった。
『ね、姫。またここで会ってくれる?』
そんな言葉に誘われるように、あたしの足は自然と屋上に向いていた。