キスフレンド【完】
子猫は安心したように姫に体を預けた。
「大丈夫ではないね、多分」
「じゃあ、どうするの……?また、捨てちゃうの?」
姫の瞳が悲しそうにユラユラと揺れる。
俺は首を横に振った。
「捨てないよ。こいつ、あと一カ月もつかも分かんないらしいし」
「一カ月もたないって……死んじゃうってこと?」
「多分、ね。俺にも分かんない。だけど、こいつが生きてる間は、面倒みる気でいる」
本当は、一カ月なんて思いたくない。
生きれるもんなら、一年でも十年でも、ずっと面倒を見ていてやりたい。
だけど、命には限りがある。
子猫の場合……命のリミットは一カ月だ。