キスフレンド【完】
「……お父さん、今日仕事は?」
「今日は有給をつかったんだよ。いつも仕事で忙しいだろう?だから、こんな時くらいは……ね?」
そっか。
遼くんの為には、会社を休むんだね。
あたしの誕生日には、休んでくれないじゃない。
休んでって頼んだこともないけど。
「そっか」
「今日は僕が夕飯を作るから、理子ちゃんは部屋でゆっくりしていていいからね?」
「お父さんだけじゃ大変じゃない?あたし、手伝おうか?」
何て言われるかは大体予想がついているけど、一応聞いてみる。
「大丈夫だよ。理子ちゃんに手伝ってもらうなんて申し訳ないよ」
「……――っ」