キスフレンド【完】
お父さんが気を遣ってくれてるって分かってる。
だけど、その気遣いがあたしを苦しめる。
あたしはお母さんの連れ子で、お父さんとは血の繋がりはない。
だけど、あたしはちゃんとお父さんを家族として受け入れたいと思っていた。
家族として受け入れてもらいたいと思っていた。
一緒にご飯だって作りたいし、一緒に買い物だって行きたい。
テレビを見て一緒に笑ったり、ゲームをして本気で勝ち負けを競ったり。
他のみんなはファザコンってあたしを笑うかも。
それでも、あたしはお父さんと『家族』でありたい。
血の繋がりはなくたって、家族になれる……ずっとそう信じてた。
それなのにお父さんは、あたしの顔色を伺って機嫌を取って気を遣う。
そんなの……家族じゃないよ。
お父さんは、あたしを家族の一員として認めてくれない。