キスフレンド【完】
「遼くん、今日誕生日よね?おばあちゃんに会いたいっていってる?」
「会いたいと思ってるんじゃないですか……?」
そんなことあたしに聞かれても分からない。
それに、遼くんが『おばあちゃんはすぐ怒るから嫌い』なんて言ってるなんて口が裂けても言えないし。
だけど、一ノ瀬おばさんはあたしのその言い方が気に入らなかったらしい。
「ねぇ、思ってるってなに?どうしてそういう言い方しかできないの?あなた、もう高校二年生でしょ?」
あぁ、また始まった。
おばさんのダラダラと長いお説教。
うんざりしているあたしの耳に、おばさんのギャーギャーとやかましい声が響く。