キスフレンド【完】
「お父さんに替わりますか?」
耐えきれなくなってそう切り出すと、おばさんはこれみよがしにチッと舌打ちをした。
「もう、いいわ。そうだ、この際だから聞いておくわ。あなた、高校を卒業したら、どうする気?」
「どうするって、何がですか?」
「だから、高校卒業後も今の家で暮らそうとしてるのかってことよ」
そんな遠回しの言い方しなくてもいいのに。
あんたはいらない子なんだから、さっさと家から出てってよ!!
そう言えばいいのに。
「先のことは、まだ分かりません。それじゃ、また。さようなら」
「チョッ……――!!まだ話が……――」
あたしは一方的に受話器を置くと、部屋に飛び込んだ。